裏面交流(りめんこうりゅう)

 裏面交流は対話分析の図において点線の矢印で表現され、言語の裏にある「隠されたやりとり」がある交流です。裏面交流の中には後述するディスカウントや心理ゲームの基になるものが含まれています。

 裏面交流には3つの自我状態が関わる鋭角裏面交流と4つの自我状態が関わる二重裏面交流があります。

 鋭角裏面交流は、刺激者が非言語的に本当の自分の気持ちをほのめかしたりする交流に反応側が相補で交流するような交流パターンで、相手の非言語的な気持ちを汲み取ることで良好な交流を生むことがあります。

 二重裏面交流は言葉と裏腹な非言語的なメッセージを刺激側も反応側も抱いているため、本音と建て前のように腹の探り合いになることがあります。後述する心理ゲームやラケット行動に関係する交流パターンです。

鋭角裏面交流

鋭角裏面交流

3つの自我状態が関わる。刺激側が表面と裏面の2つのメッセージを同時に発信する。刺激側は、遠回しに気持ちをにおわせるため、反応側は、裏面で受けた刺激者の気持ちに反応することで相補的な交流になり、気持ちの良い交流になることがある。

S:飼い主「夜、急に具合が悪くなったみたいなんです。」

裏面(心配なんです。診てもらえないでしょうか)

R:獣医師「心配ですね。すぐ連れてきてください。」

二重裏面交流

二重裏面交流

4つの自我状態が関わる。刺激側・反応側が表面と裏面の2つの交流を同時に行う。日常ある本音と建て前を適切に表現するために必要な場合がある。しかし、無意識のうちに相手をディスカウントしたりすることもあり、後述する心理ゲームに関連することもある。本当の意味での円滑なコミュニケーションを行うには、無意識に発信している隠れたやりとりに気づくことが必要である。

S:スタッフ「この治療は負担が重すぎます。」

  裏面(私には荷が重すぎてとても無理です。)

R:院長「そうだね。もう少し検討してみよう。」

  裏面(やっぱり、君には無理だったのか)