交差交流(こうさこうりゅう)

 交差交流は、対話分析の図において矢印が交差したり、平行でなかったりします。刺激する側の予期せぬ反応が返ってくるので話が中断したり途切れたりします。このため、険悪な会話やかみ合わない会話となり、診察室においては飼い主と関係を築くのを妨げたり、トラブルのもとになったりすることもあります。また、交差交流が会話を中断する働きを逆手にとって、無用に続いてしまう相補交流による会話をやめるときに交差交流を用いることも出来ます。下に紹介した例以外にも様々な自我状態が関係した交差交流があります。

A→A、P→C の交差交流

A→A、P→C の交差交流

S:スタッフ「飼い主さんの希望通り治療を進めています」

R:院長「なんだ、そのやり方は。それでは治るものも治らないぞ」

 

動物病院スタッフが冷静に業務報告をしたところ(A→A)、上司である院長はPからスタッフのCに向けて反応しているため、刺激側(スタッフ)は気まずさを感じている。このため、対話が途切れたり、話題を転換するような状況になる

P→C、P→C の交差交流

P→C、P→C の交差交流

S:飼い主「あんたの治療のせいで悪くなったんだ」

R:獣医師「元はと言えばあなたの飼い方が悪いせいで病気になったんだ」

 

飼い主、獣医師両者がPからCに向けて発言しているため、険悪な対話となっている。

A→A、C→C の交差交流

A→A、C→C の交差交流

S:獣医師「このようにペットのケアを行った方がいいと思います」

R:飼い主「○○ちゃん、痛くなかった?うんうん、そうなの。」

 

獣医師が冷静に情報を与えているが、飼い主のほうはCからの発言に終始し、対話の情報伝達が成立していない。飼い主が一貫したCを示しているなどが関連する。