エゴグラムを理解する 〜エゴグラムの典型例

 エゴグラムによって人の性質を理解するために、いくつか典型的な傾向のあるエゴグラムの例を挙げて説明します。最初に示したAを頂点とした山型のエゴグラムは、欧米では理想と考えられるエゴグラムです。Aを頂点にすべての自我状態が機能しているため、生き生きと行動し社会的に適応的ですが、Aが突出しすぎると機械的で人間性にかける印象を持たれがちです。NPを頂点とする への字型エゴグラムは日本人には理想的と考えられるエゴグラムです。やさしく控えめですが自分を楽しませる力もあるので協調性を重んじる日本では理想的と考えられます。NPとACが高く、CPFCが低いN字型エゴグラムは、看護師パターンともいえるエゴグラムです。献身的で周囲に合わせて行動し、やさしい印象を与えます。しかし、CPやFCが低すぎると依存的で楽しめないようなネガティブな面が現れてきます。CPとAやFCが高く、NPとACが低い逆N字型エゴグラムは院長パターンともいえるエゴグラムです。責任感があり道理を重んじ、エネルギーに満ち溢れているので周囲の人を引っ張るリーダーの役割を果たすことができます。しかし、NPやACが低すぎると冷淡で独善的なネガティブな面が現れてきます。CPとACが高いエゴグラムの人は、善悪を裁くCPと自分のことは後回しにして人に合わせるACが同一人物の中に存在しており、ありのままの自分を容認することが難しくいつも心に葛藤を抱いています。このため、CPとACが高く、Aが低いV字型エゴグラムの人は激怒パターンといえます。何かあると心の中の葛藤をAで抑えることができないので、葛藤が爆発してすぐ怒りだしたり、混乱してしまったりします。また、CPとACが高く、Aも高いW字型エゴグラムの人は自己否定パターンと言えます。心の中の葛藤をAで気づいているため、問題が生じると自分のせいにしてしまい落ち込んでしまいます。NPとFCが高いM字型エゴグラムは、明朗活発パターンといえるエゴグラムです。明るくて楽しい雰囲気を持っていますが、CPとAが低いためどこか無責任で子供っぽく頼りない印象があります。

図 典型的なエゴグラム

 典型的なエゴグラムの型以外にも、エゴグラムを評価する上で知っておくとよいことがあります。概してNPやACが高い人は他者の立場に立ってものを考え行動する傾向(他人軸)、CPやFCが高い人は自分の立場に立ってものを考え行動する傾向(自分軸)を持っていると考えられています。また、後述する人生態度とエゴグラムの関連を考えることも自己理解に繋がります。人生態度とエゴグラムの関係は以下のように大まかに捉えることができます。自分も他人もOKである人生態度をとる人は、NPをピークにACに向かって下がってゆくへの字型のエゴグラムを持っています。自分はnot OK、他人はOKの人生態度を持つ人は、ACとNPが高く、FCとCPが低いN字型のエゴグラムを持っています。自分はOK、他人はnot OKの人生態度を持つ人は、CPとFCが高くNPとACが低い逆N字型のエゴグラムを持っています。自分も他人もnot OKである人生態度をとる人は、NPを底としACへ上がってゆくV字型に近いエゴグラムを持っています。