特殊な交差交流

院長の裏面交流に相補的に反応

 

S:院長「あの時はこうする必要があったんですよ。」(A→A)

   (前からいってたじゃないか)(裏面でCP→AC)

R:スタッフ「すみません」(裏面のCP→ACに対してAC→CPの相補交流で返答)

 

スタッフ

院長

特殊な交差交流

院長の裏面交流に特殊な交差交流で反応

 

S:院長「あの時はこうする必要があったんですよ。」(A→A)

   (前からいってたじゃないか)(裏面でCP→AC)

R:スタッフ「あら、またやらかしました。どうしましょう。」

(裏面のCP→ACに対してFC→NPの交差交流で返答)

 

スタッフ

院長

 

 院長とスタッフの対話例をもちいて特殊な交差交流について紹介しましょう。この交流には鋭角裏面交流と自我状態の機能に対しての交差交流が含まれています。日常の会話ではこのような複雑な交差交流も存在し、それが後述する心理ゲームの火種になってくることもあります。

 この例では、院長がスタッフにミスを注意し「あの時はこうする必要があったんですよ(A→A)」(裏面では「前からいってたじゃないか(CPAC、つまり自我状態PからCへの交流)」)と鋭角裏面交流を仕掛けています。

 それに対してスタッフが「すみません(裏面のCP→ACに対してAC→CPで返答)」と交流すると、スタッフのCから院長の裏面交流Pに向けての相補交流になります。

 しかし、スタッフが「あら、またやらかしました。どうしましょう。」と返した場合どうなるでしょう。このスタッフは院長の示した裏面交流PにたいしてスタッフのCからの交流で返しており、一見裏面交流に対して相補交流を行っているように見えます。しかし院長の裏面交流PはCPであり、スタッフの自我状態の機能はFCであるため、スタッフは院長に対して、裏面のCP→ACに対してFCNPの交差交流を仕掛けてしまったことになります。

 この交流では院長は交流に不自然さを感じ、より不快になることも考えられます。もしくは、院長はその交流にFCの自由さ・面白さを感じ吹き出してしまったりして(自我状態の変化)、院長から怒られる交流から抜け出せることになるかもしれません。ある種のオプションになっている例です。

 このように対話分析を理解すると、日常の会話だけでなく診療時など業務上の交流のメカニズムを理解することができ、円滑な対話を続けたり、嫌な会話を無理なくさえぎったり、自分の要求やメッセージを効率よく伝達することを助けてくれます。